社会人になりたての頃の私は、自分より周りの大人のほうがすごく優れていて、なんでもプロの大人達にまかせると自分よりセンス良く上手くやってくれるように思っていました。
美容室では、全体の長さの希望を言い、でも細かい話になると自信がないので、美容師さんの言うとおりでお任せします。
服は、「こちらが似合いますよ」と言われれば、「そうですか」。
みたいな。
その結果…、
もうどんなに面白いことになったか!
前髪は、ローマの休日オードリーヘップバーン風。
(極端なオンザ眉毛ですが、これが本当に全く似合わない。)
「ほら、良くなったでしょう!」と美容師さんは言っていたが、
翌日職場で、
「なんで、そんな髪型に…?」 と言われた。(笑)
「こういうビタミンカラーは持っていた方がいい」
と勧められたオレンジの原色タンクトップは、ほとんど着ない。
店内のレイアウト的にはきれいに見えるが、かなり個性的な人しか履かない赤いジーンズを勧められる。
(さすがに買わない。)
ある日デパートで、
バーゲンで売れ残っている個性的なデザインの大きいサイズのコートを、
「これ、次来た大柄のお客様に勧めて」と、
どんなお客様が来るかも分からないうちに、店員さん同士が話しているのを見て、
やっと、「ああ、そうなんだ。」と思いました。
(もし私のサイズだったら、着て帰っていたかも。(笑))
例えば自分のセンスが良くなくても、
プロに頼めば、それ以上のセンスになる、とは限りません。
そんなにオシャレっぽいとも思えないおばさんの髪型を作るとき、無難と冒険で多くのプロは無難を選びます。
きちんと話し合いもせず、二、三言で切ってくれた髪型、
それが自分の好みにピッタリ、
なんてことのほうが、少ないと思います。
ある程度、年齢が上がってからお任せすると、女性らしくというより、オバさんぽい感じになりやすく、
とくに髪型はテキメンです。
ああ美容師さん、私のことオバサンって思っているんだ、と無言で分かります。(笑)
いくら希望の髪型を言っても、美容師さんの持っている「型」から外れると、全くその通りには切れないことが多いですし、
一見さんで服を買おうとするなら、お店にある売りたい商品を勧められることが、多いように思います。
純粋に自分のことを思って大切に出来るのは、自分ぐらいかもしれません。
ここは自分で決める、あるいは、信頼できる自分で決めたお気に入りのスタイリストを付ける。
出来上がったセンスがよくなくても、自分のセンスと思えば納得できますが、
人に任せてみようと思うと、お店の売りたいものや、人の都合でその格好にさせられる可能性が大きく、
またもし、心からそれを勧めてくれる店員さんで、その人なりのセンスが良い人に巡り会ったとしても、それが自分の好みや雰囲気に合うとは限りません。
自分のスタイルは、自分で考えてみると、
例えば人からみてそんなに良くなかったとしても、それを含めて自分自身が納得して過ごすことができます。
生涯納税額日本一の大商人、人間関係の本も多く出版されている斎藤一人さんによると、
人生を幸せに生きるコツの一つは、身なりに気を付けることだそうです。
身なりに全く気を付けない人が、大きく成功したり人から大切にされることはない、と断言?
本に書かれていました。
私もあの面白い経験があったから今がある、と言えなくもないのですが、(笑)
どういうスタイルで歩くのか、自分で考え、幸せに生きることは大切だと思います。